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詩はすべてのアートと生活の根底にあります。

詩を書く人と読む人のために、もっと手元に届きやすくするために。
それを必要としている人たちのために。
内容と形を充実させて、場を作り上げ、詩の世界を豊かにするために。
わたしたちは考え、創り続けます。

詩の豊かさと難しさについて 光冨郁埜 

 わたしが詩にかかわって十数年が経ちます。
 時折思うことがあります。それは詩の精神的な豊かさと、市場における詩の経済的な難しさ、また社会と他のアートのジャンルからの理解が得られにくいということです。
 詩の作品世界の奥深さと、表現することと、受け入られることの難しさを感じることもあります。
 現代詩の世界の、雑誌と団体と各詩人との縦と横のつながりやひろがりの、恩恵と矛盾のようなものを感じることもあります。
 また一作者としての、表現の上と生きる上での、やりがいと難しさもあります。
 わたしにとって詩人とは職業ではなく、存在であり、生き方です。一篇の作品に魂を注ぐこともあれば、生き方そのものを問われることもあります。

 詩とは、愛するということと同じく、難しさもあります。詩を書くこと、詩を書き続けること、詩を伝えること、詩を受け止めること、そして詩でもって理解され、生活することの難しさ。
 それでも詩を手放さないのは、諦めて捨てないのは、自分にとって生きることと同じだからです。そういう姿勢で詩を書いてきましたし、これからもそうしていきたいと思います。
 押しつけない、萎縮しない、ひとりよがりにならない、えらぶらない、そういうことを基本的な姿勢として、詩を作り、詩の場を支え、詩を伝え、そのことによって詩の世界を豊かにしたい。やがては小さな川が長い旅のあとに、大きな海につながるように、ひとに手渡し、ひとたちの社会に広め、それでいながら、ひとりであることを恐れず、自分ひとりだけよければそれでよいという考えも持たずに、一歩一歩、詩の書き手として言葉を信じて、詩の世界をひろげていきたいと、わたしはそう思います。

 詩を愛するひとに、芸術を生きるひとに、そしてそれらを受け止めることができるひと、必要としてくれるひとたちのために、この世界がもっと美しくあってほしい、そのための小さな言葉を紡ぐ、ひとりの詩の書き手でありたいと、わたしは思います。

(笑いと涙のぽえとりー劇場@そら庵―2013年・春―ショートスピーチ原稿より)


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